「一所懸命」と「一生懸命」の違い、あなたは説明できますか?
どちらも何か目標に対して必死に取り組むことを意味する言葉ですが、両者に明確な違いはあるのでしょうか。

このページを読めば「一所懸命」と「一生懸命」の違いがわかります。
広辞苑より
広辞苑 第七版で各言葉は次のように表現されています。
一所懸命の定義
「一所懸命」を広辞苑で調べると、
賜った1カ所の領地を生命にかけて生活の頼みとすること。また、その領地。
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
物事を命がけですること。必死。一生懸命。
とのことで、「一所懸命」は1つの領地を命がけで守ること、または命がけで物事を行うことであることがわかりました。
昔の日本では土地が重要な財産であり、土地を守ることで生計を立てていました。
そのため、1か所の土地には命がけで守らなければならないほどの価値があると考えられ、「一所懸命」という言葉が生まれました。
現代では、会社などを大事な土地になぞらえて、「一所懸命はたらく」などという表現をすることもあります。

一生懸命の定義
「一生懸命」を広辞苑で調べると、
「一所懸命」の転
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで、「一生懸命」は「一所懸命」から転じてできた言葉であることが分かりました。
昔は土地が人々の生活においてとても重要なものでしたが、時代とともに土地を守ることの重要性が薄れ、「土地=命がけで守るもの」ではなくなっていきました。
これに伴い、土地を意味していた「一所」から、命がけを意味する「一生」に表記が変わり、物事を命がけでするという意味だけが残りました。
テレビ番組や新聞などでは、「一所懸命」ではなく「一生懸命」が使用される傾向があります。

つまり「一所懸命」と「一生懸命」の違いは?
つまりそれぞれの違いは
- 一所懸命は「1つの土地を命がけで守ること」
- 一生懸命は「物事に命がけで取り組むこと」
となり、「一所懸命」は命がけで守る対象が土地であるのに対し、「一生懸命」は土地に限らず何かに必死で取り組むことである、ということが分かりました。
他にも「言葉の違い」について多くの記事をまとめています。
コメント