「すあま」と「すはま」の違い、あなたは説明できますか?
どちらも甘い和菓子ですが、両者に明確な違いはあるのでしょうか。
このページを読めば「すあま」と「すはま」の違いがわかります。
広辞苑より
広辞苑 第七版で各言葉は次のように表現されています。
すあまの定義
「すあま」を広辞苑で調べると、
菓子の名。すはまに同じ。
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
糝粉しんこを湯で練って蒸し、白砂糖を混ぜ、再び蒸して作る餅菓子。多く紅白に染め、巻き簾で巻いて縁に模様をつけたり、平たい卵形に作ったりして仕上げる。
とのことで、「すあま」はしん粉と白砂糖が原料の餅菓子、ということがわかりました。
しん粉とは、うるち米を加工した粉のことです。
すあまは縁起を担いで「寿甘」という字をあてる他、紅白のすあまを詰め合わせて祝い事の席で配るなど、縁起物とされる菓子です。
食味については弾力のあるモチモチ食感と、餡などを入れない控えめな甘さが特徴です。
かつては、固くなりにくい餅として重宝された時代もありました。
すはまの定義
「すはま」を広辞苑で調べると、
棹物菓子(さおものがし)の名。弘安(1278〜1288)年間、京都の松寿軒創製。水飴・大豆粉・白砂糖などで製し、3本の竹を用いて横断面を洲浜形にし、小口切にしたもの。
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで、「すはま」は水飴や大豆粉などで作った州浜をかたどった棹物菓子、ということがわかりました。
棹物菓子とは、細長い形に作る和菓子の総称で、州浜とは河口にできる三角州などの、島形をした州のことです。
名前の由来は、この棹物菓子の断面が、州浜紋に似ていたため、州浜(すはま)という名前になったとされています。
ちなみに、浜辺の入り組んだ様子を意匠化した「州浜」のデザインは、家紋として用いられることもあります。
すはまは豆餅と呼ばれることもあり、大豆や青豆を煎って挽いた粉は州浜粉とも呼ばれ、現在では州浜粉を使った菓子全体を州浜や、すはまと呼んでいます。
つまり「すあま」と「すはま」の違いは?
つまりそれぞれの違いは
- すあまは「しん粉と白砂糖が原料の餅菓子」
- すはまは「水飴や大豆粉などで作った棹物菓子」
となり、「すあま」は米粉が原料の餅菓子で、「すはま」は断面図が州浜の形に似た和菓子、であることがわかりました。
わらび餅と水まんじゅうの違いはこちらでまとめています。
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