「リトマス紙」と「塩化コバルト紙」と「BTB溶液」の違い、あなたは説明できますか?
いずれも化学の実験で使われる物ですが、それぞれに明確な違いはあるのでしょうか。

このページを読めば「リトマス紙」と「塩化コバルト紙」と「BTB溶液」の違いがわかります。
広辞苑より
広辞苑 第七版で各言葉は次のように表現されています。
リトマス紙の定義
「リトマス紙」は「リトマス試験紙」で広辞苑に掲載がありました。
リトマスの水溶液に浸し染めた紙。酸性か塩基性かを判別するのに用いる。
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで、「リトマス紙」は、酸性、アルカリ性によって色が変化する紙であることが分かりました。
「リトマス紙」には赤色と青色の2種類があり、赤色の紙はアルカリ性になると青くなり、青色の紙は、酸性になると赤くなります。

塩化コバルト紙の定義
「塩化コバルト紙」は広辞苑に記載がないため「塩化コバルト」を広辞苑で調べると、
化学式CoCl2 六水和物は赤色の結晶。加熱して結晶水を除くと青色粉末となる。希薄な水溶液はうすい赤色で、温めれば青色となり「あぶり出し」に利用できる。
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで、「塩化コバルト紙」は、塩化コバルトをろ紙にしみこませたものであることが分かりました。
塩化コバルトには、乾燥しているときは青色で、水分を吸収すると赤色に変わる性質があります。つまり、「塩化コバルト紙」は水につけると青色から赤色に変化する性質があります。

BTB溶液の定義
「BTB溶液」を広辞苑で調べると、
(BTBはbromothymol blueの略)酸塩基指示薬の一つ。分子式C27H28Br2O5S ブロモチモール‐ブルーのエタノール溶液。pH<6.0で黄色、pH>7.6で青色を示す。
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで、「BTB溶液」は液体が酸性か中性かアルカリ性かを調べる指示薬であることが分かりました。
「BTB溶液」はブロモチモールブルーをエタノールと水に溶かして作られ、リトマス試験紙では十分に検出できない弱酸、弱アルカリにも反応する特徴があります。

つまり「リトマス紙」と「塩化コバルト紙」と「BTB溶液」の違いは?
つまりそれぞれの違いは
- リトマス紙は「酸性、アルカリ性によって色が変化する紙」
- 塩化コバルト紙は「乾燥しているときは青色で、水分を吸収すると赤色に変わる性質をもつ紙」
- BTB溶液は「液体が酸性か中性かアルカリ性かを調べる指示薬」
となり、それぞれ調べるものの目的が異なることが分かりました。
「精製水と純水と蒸留水の違い」についてもまとめています。
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