勧める・薦める・奨めるの違い。定義・意味・使い方は？広辞苑より。

「勧める」と「薦める」と「奨める」の違い、あなたは説明できますか？

どちらも口にすると同じ「すすめる」という言葉ですが、意味や使い方の違いはあるのでしょうか。

広辞苑より

広辞苑 第七版で各言葉は次のように表現されています。

勧めるの定義

「勧める」を広辞苑で調べると、

ある物事をしたほうがいいと言葉をかける。勧誘する。相手に差し出す。献ずる。

広辞苑 第七版 1565Pより [発行所：株式会社岩波書店

とのことで、「勧める」は例えば「本をたくさん読んだ方が良い」、「英語を習った方が良い」などのように「こうした方が良い」と誘うことを意味するほか、「お酒を勧める」などのように相手に飲食物を差し出したり、食べるように促す際に使用する言葉であることが分かりました。

薦めるの定義

「薦める」を広辞苑で調べると、

推薦する。推挙する。

広辞苑 第七版 1565Pより [発行所：株式会社岩波書店

とのことで、「薦める」の「薦」は「推薦」などにも使用されるように、「候補者」や「候補地」として特定のものを「適当である」とすすめる際に使用する字であることが分かりました。

また、「推薦図書」とも言うように「本を薦める」場合には読書自体をすすめるのではなく、特定の書籍をすすめる際に使用します。

奨めるの定義

「奨める」を広辞苑で調べると、

奨励する。励まして気を引き立てる。

広辞苑 第七版 1565Pより [発行所：株式会社岩波書店

とのこと、「奨める」は「これをやった方が良い」などとある物事をやるように気持ちをそそらせることを指すことが分かりました。

しかし、「奨める」は常用漢字では無いため、あまり使うことはなく常用漢字である「勧める」を使用するのが一般的です。

つまり「勧める」と「薦める」の違いは？

つまりそれぞれの違いは

• 勧めるは「こうした方が良いと物事を誘うこと」
• 薦めるは「行為全体ではなく、特定の人や物を使用、採用するように促すこと」
• 奨めるは「こうした方が良いと物事をやる気にさせる事だが、非常用漢字のため一般的には”勧める”を使用する」

となり、口にすると同じ「すすめる」という言葉ですが、「勧める」は物事や行為に対して使われるのに対して、「薦める」は特定の人や物を推奨する際に使用することが分かりました。