「懐石料理」と「会席料理」の違い、あなたは説明できますか?
どちらも口にすると同じ「かいせきりょうり」ですが、明確な違いはあるのでしょうか。
このページを読めば「懐石料理」と「会席料理」の違いがわかります。
広辞苑より
広辞苑 第七版で各言葉は次のように表現されています。
懐石料理の定義
「懐石料理」は広辞苑に掲載が無いため「懐石」を調べると、
(温石おんじゃくで腹を暖めると同じ程度に腹中を暖め、空腹をしのぐ粗末な食べものの意)茶の湯で茶を出す前に出す簡単な食事。茶懐石。
広辞苑 第七版 485Pより [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで「懐石料理」といえばお刺身など素材を生かした料理のイメージがありますが、本来はお茶の前に頂く軽い食事であったことが分かりました。
懐石料理はお茶を楽しむ際の料理のため、量は少なく一汁三菜が基本となります。
また、旬の食材を使用した、素材を活かした料理であるのも特徴です。
さらに懐石料理ではご飯と汁物が最初に出されるという特徴があります。
現在では「お茶を楽しむ際の料理」というイメージは薄れているため、お茶を楽しむ際の懐石を指す際は「茶懐石」と区別して呼ぶことが多くあります。
会席料理の定義
「会席料理」を広辞苑で調べると、
もと、会席に出された本膳を簡略にした料理。懐石の影響を受けつつ次第に変化して酒宴の席の上等な料理となったもの。
広辞苑 第七版 485Pより [発行所:株式会社岩波書店]
続いて「会席」を調べると
連歌または俳諧の席。連歌の会席では床とこに天神の像をかけ、俳諧の会席では天神または和歌三神の名号をかける。
広辞苑 第七版 485Pより [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで、本来は俳諧の席などで頂く日本料理であったことが分かりました。
会席料理は懐石料理に倣って一汁三菜が基本ですが、刺身・なます・お吸い物・煮物・焼物・焼魚とすることが多く、それに加えてお通しや揚げ物、最後にご飯・汁物・漬物・果物が運ばれるなど、お酒の席の豪華な食事となります。
つまり「懐石料理」と「会席料理」の違いは?
つまりそれぞれの違いは
- 懐石料理は「お茶を楽しむための軽い食事で、一汁三菜を基本とした旬の食材を生かした料理」
- 会席料理は「お酒の席の豪華な食事で、汁物とご飯を最後に頂くのが特徴」
となり、言葉にすると同じ「かいせきりょうり」ですがお茶を楽しむための少量の食事と、お酒を楽しむための「豪華な食事」となり大きな違いがあることが分かりました。
また、ご飯と汁物を最初に頂くのが懐石、最後に頂くのが会席という違いがあることが分かりました。
現代でも「懐石料理」というと量が少なめなものが多くありますが、両者は混同されがちなためお店を訪れる際には事前にメニューを確認しておくと良いかもしれません。
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