「原産国」と「生産国」の違い、あなたは説明できますか?
どちらもどこで作られた物なのかを表す場合に用いられる言葉ですが、両者に明確な違いはあるのでしょうか。
このページを読めば「原産国」と「生産国」の違いがわかります。
広辞苑より
広辞苑 第七版で各言葉は次のように表現されています。
原産国の定義
「原産国」は広辞苑に記載がないため「原産」を広辞苑で調べると、
最初に産出したこと。また、そのもの。
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで、「原産国」は、動植物などが最初に産出された国であることが分かりました。
例えば、日本の主食である米(イネ)の原産国は中国南部の雲南(うんなん)からラオス、タイ、ビルマ周辺に広がる山岳地帯とされています。この地域から稲作が広がり、日本には縄文時代後期に伝わったとされています。
WTO(世界貿易機関)の原産地認定基準では「原産国」とは、実質的な変更をもたらし新しい特性を与える行為を最後に行った国とされています。
このように、「原産国」は元来の産地国を指すのが基本ですが、貿易などではその限りではないと言えます。
生産国の定義
「生産国」は広辞苑に記載がないため「生産」を広辞苑で調べると、
生活の資を作り出す仕事。
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
人間が自然に働きかけて、人にとって有用な財・サービスを作り出すこと、もしくは獲得すること。
とのことで、「生産国」は、物資を作り出している国のことであることが分かりました。
例えば、フランスは世界屈指のワイン生産国であり、ブラジルはコーヒー豆の主な生産国だと言えます。「生産国」はその物資を生産した国の事を指しますが、複数の国でそれぞれ加工されたものが輸入される場合、どの国が「生産国」であるか決めることが難しい場合もあります。
つまり「原産国」と「生産国」の違いは?
つまりそれぞれの違いは
- 原産国は「動植物などが最初に産出された国を指す言葉」
- 生産国は「物資を作り出している国を指す言葉」
となり、「原産国」は最初に産出された国を指す言葉であるのに対し、「生産国」は物資を作り出している国を指す言葉であることが分かりました。
「商品と製品の違い」についてもまとめています。
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