甘柿と渋柿の違い、あなたは説明できますか?
秋の味覚である柿ですが、そのままで甘くて美味しい柿と、そのままでは苦くて食べられない渋柿とがありますが両者の違いは何なのでしょうか。
このページを読めば「甘柿」と「渋柿」の違いがわかります。
広辞苑より
広辞苑 第七版で各言葉は次のように表現されています。
甘柿の定義
「甘柿」を広辞苑で調べると、
木になっているままで甘くなる柿。富有柿・次郎柿など。
広辞苑 第七版 82Pより [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで、通常私たちが「柿」と言う時に指すのが富有柿や次郎柿に代表される「甘柿」となり、甘柿は皮を剥いてそのまま食べるだけで甘くて美味しい果物であることが分かりました。
しかし、甘柿は初めから存在したわけでなく「渋柿の突然変異」であると言われています。
甘柿も初めは渋みがありますが、収穫時になるとタンニンが「水溶性」から「不溶性」へ変化することで渋みがなくなります。
また、甘柿には自然に渋みが抜けていく「完全甘柿」と、種が多いと甘く、種が少ないと渋く感じる「不完全甘柿」に別れることが分かりました。
渋柿の定義
「渋柿」を広辞苑で調べると、
果実が熟してもタンニンが不溶性物質に変化しない渋い柿の総称。醂さわし、あるいは干して食べ、また、柿渋を取る。
広辞苑 第七版 1330Pより [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで、渋柿は収穫時になってもタンニンが水溶性のままで、不溶性に変化しない苦いままの柿であることが分かりました。
渋柿はアルコールや炭酸ガス、お湯などにつけることで渋みを抜くことが出来ますが、干すことでも甘くなるため渋柿と言えば冬の保存食である”干し柿”として有名です。
また、渋柿から採取した液である「柿渋」は石鹸や、防腐用の塗料としても使用されます。
つまり「甘柿」と「渋柿」の違いは?
つまりそれぞれの違いは
- 甘柿は「渋柿の突然変異であり、成熟とともにタンニンが水溶性から不溶性に変化することで苦みが無くなったそのままで食べられる甘い柿」
- 渋柿は「タンニンが水溶性のままの苦い柿で、干し柿として有名だが、抜いた”柿渋”は石鹸や防腐剤の塗料などとしても使用される」
となり、驚くことに甘柿は渋柿の突然変異であることが分かりました。
干し柿とあんぽ柿の違いについてもまとめています。
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