「干し柿」と「あんぽ柿」の違い、あなたは説明できますか?
どちらも渋柿を乾燥させた甘いドライフルーツですが、明確な違いを答えられる人はあまりいないかもしれません。
このページを読めば「干し柿」と「あんぽ柿」の違いがわかります。
広辞苑より
広辞苑 第七版で各言葉は次のように表現されています。
干し柿の定義
渋柿の皮をむき、ほして甘くしたもの。ころがき。
広辞苑 第七版 2696Pより [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで、干し柿は藁の上で転がして乾燥させることから”ころがき(転柿・枯露柿)”と呼ばれたり、表面に白い粉をふくことから”白柿”とも呼ばれることが分かりました。
干し柿は皮を剥いた渋柿を吊るして乾燥させたドライフルーツで、古くからの冬の保存食でもあります。
渋柿は本来とても苦く、そのままで食べることが出来ませんが、乾燥させることで苦みが消えて甘みが強くなります。
また、干し柿は柿の糖分が表面に結晶化されて白い粉をふいているのも特徴です。
よく「市田柿」と書いた干し柿が販売されていますが、これは使用している渋柿の品種の一つであり、干し柿には乾燥しやすいように市田柿のような小さな果実の品種が使用されます。
あんぽ柿の定義
干柿の一種。表面は乾燥しているが、中はとろりとした半生状態のもの。
広辞苑 第七版 123Pより [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで、あんぽ柿は渋柿を乾燥させた干し柿の一種であることが分かりました。
しかし、あんぽ柿にはただ吊るして干した干し柿と違い、”硫黄で燻製させて乾燥させる”という大きな違いがあり、表面に粉もふいていません。
また、あんぽ柿は通常の干し柿よりも水分量が多いため、ジューシーな柔らかい食感で「羊羹みたい」と例えられることがあります。
つまり「干し柿」と「あんぽ柿」の違いは?
つまりそれぞれの違いは
- 干し柿は「渋柿を吊るして乾燥させたドライフルーツで、表面に白い粉がふいているのが特徴」
- あんぽ柿は「燻製して乾燥させた干し柿の一種で、表面は乾燥し、中はとろりとしているのが特徴」
となります。
どちらも渋柿を乾燥させたドライフルーツですが、作られる工程が異なり、見た目も食感にも違いがあることが分かりました。
そのため、干し柿は苦手でもあんぽ柿は好きという人がいたり、またその逆もあるなど好みが別れやすい食べものでもあります。
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