「十分」と「充分」の違い、あなたは理解していますか?
声にすると同じ「じゅうぶん」という言葉。
文字で書くときも何気なく「十分」と書いている人は多いかもしれません。
このページを読めば「十分」と「充分」の違いがわかります。
広辞苑より
広辞苑 第七版で各言葉は次のように表現されています。
十分の定義
物事が満ち足りて、不足・欠点のないさま。充分。
広辞苑 第七版 1387Pより [発行所:株式会社岩波書店]
広辞苑の通り、「充分」と同様の意味を持ち、どちらを使っても正しいのですが、実際には状況に応じて使い分けられていることが多いです。
「十分」は数字の十と付くこともあり、「数や量が増えていって満杯になった」様を表します。
つまり、目に見えて、客観的にも満たされていることが分かる「数値化できるもの」に対して使用されます。
例としては「十分な金額」「人が十分集まった」「十分な量」などです。
充分の定義
十分じゅうぶんに同じ。
広辞苑 第七版 1387Pより [発行所:株式会社岩波書店]
広辞苑の通り、意味合い的には「十分」と同じ意味で使われ、どちらを使っても正しいと言えます。
しかし実際には「充分」は目には見えない、気持ち的な部分で、主観的に満ち足りた状態を表す際に使用されます。
例としては「充分に眠った」「充分楽しんだ」などです。
つまり「十分」と「充分」の違いは?
どちらとも「物事が満ち足りている」ことを表す言葉ですが、つまりそれぞれの違いは
- 十分は「客観的にも満たされていることが分かる数値化できるものに対して使用される」
- 充分は「目には見えない主観的に満ち足りた状態を表す」
となりますが、どちらの漢字を使っても間違いではありません。
しかし、「十分に気を付ける」と「充分を気を付ける」などとどちらもが使われる場合もあります。
この場合の「十分」は「しっかりと注意を払うこと」を意味し、「充分」は「気持ち的な面で気を付ける」場合に使用され、日本語の微妙なニュアンスが難しいです。
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