「べこ餅」と「くじら餅」の違い、あなたは説明できますか?
どちらもハレの日に食べる郷土菓子ですが、両者に明確な違いはあるのでしょうか。
このページを読めば「べこ餅」と「くじら餅」の違いがわかります。
広辞苑より
広辞苑 第七版で各言葉は次のように表現されています。
べこ餅の定義
「べこ餅」を広辞苑で調べると、
米粉に砂糖を加えた生地を蒸したもの。元は牛(べこ)が臥した姿に作ったのでいう。端午の節句に食べる。北海道・青森県の郷土料理。
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで、「べこ餅」は米粉に砂糖を加えて作る、郷土料理であることが分かりました。
べこ餅は和菓子の一つで、北海道から東北地方の一部では、5月の端午の節句に食べられており、他の地方における柏餅のような位置づけの祝い菓子です。
青森県の一部地方では江戸時代後期から、くじら餅が伝統的なハレ食でしたが、時代とともに衰退し、後に作り方がアレンジされ「べこもち」の名前で復活しました。
もともとは黒砂糖を混ぜたもちと、味付けのない白いもちを使っていましたが、1980年代以降は黒砂糖の代わりに粉末コーヒーやココアが使用されるようになり、白いもちにも、白砂糖で甘みが加えられるようになります。
さらに、「べこもち」と呼ばれるようになった頃から、赤色や黄色、緑色などの色がつくようになり、キャラクター模様も一般化しました。
北海道地方でも初めは、くじら餅が伝統的なハレ食でしたが、次第に「べこ餅」と呼ばれるようになりました。
名前の由来は諸説あり、白と黒の配色が乳牛の色を連想させることから、牛を意味する「べこ」を用いたという説や、黒糖を混ぜた部分が「べっこう」の色合いに近いことから、「べっこう餅」となったという説など様々です。
ちなみに、現在も北海道の一部地域では、「べこ餅」を「くじら餅」と呼んでいます。
くじら餅の定義
「くじら餅」は広辞苑に掲載がないため、Wikipedia等でリサーチしたところ、「くじら餅」は山形県新庄市・最上地方、及び青森県鰺ヶ沢町・青森市浅虫温泉付近で作られている、菓子であることが分かりました。
くじら餅の基本的なつくり方は現在でも変わらず、もち米とうるち米の粉を水で練り、ムキ胡桃、砂糖水を加えせいろで蒸したもので、味噌・醤油・餡など多彩な種類があります。
柔らかいうちはそのまま美味しく食べられますが、そのまま放置しているといるとかたくなってしまいます。
かたくなった場合は、フライパンやオーブントースターなどで温めると柔らかくなり、香ばしい風味が楽しめます。
ちなみに、名前に「くじら」とありますが、鯨肉は入っていません。
久しく持ちの良い食べ物ということで「久持良餅」であるとか、形が鯨肉に似ていることから「鯨餅」である、等といわれていますが、名前の由来は定かではありません。
しかし、くじら餅は、江戸時代に新庄藩で兵糧食としてつくられていた、という説が有力であり、最上地域の新庄市が発祥ではないかといわれています。
また、山形県ではもともと3月3日の、桃の節句の時期によく作られていました。
つまり「べこ餅」と「くじら餅」の違いは?
つまりそれぞれの違いは
- べこ餅は「くじら餅が由来の郷土料理で、米粉と砂糖などで作る、白と黒が基調の和菓子」
- くじら餅は「もち米、うるち米、ムキ胡桃、砂糖などで作る郷土菓子で、味や種類が多彩」
となり、「べこ餅」は主に白黒色の和菓子で、「くじら餅」は味や種類が多彩な郷土菓子であることが分かりました。
ういろうとかるかんの違いはこちらでまとめています。
コメント