「ヌクマム」と「ナンプラー」の違い、あなたは説明できますか?
どちらも東南アジアの料理によく使われている調味料ですが、両者に明確な違いはあるのでしょうか。
このページを読めば「ヌクマム」と「ナンプラー」の違いがわかります。
広辞苑より
広辞苑 第七版で各言葉は次のように表現されています。
ヌクマムの定義
「ヌクマム」を広辞苑で調べると
ニョクマム。
広辞苑 第七版 2249Pより [発行所:株式会社岩波書店]
続いて「ニョクマム」を調べると
(ニョクは水、マムは魚の塩漬の意)ベトナム料理に用いる魚醤油。
広辞苑 第七版 2238Pより [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで、「ヌクマム(ニョクマム)」は魚介類に塩を加えた発酵食品の一種で、ベトナム料理で主に使用されており、日本でいう醤油のような役割をもつことがわかりました。
ヌクマムには多量のアミノ酸やカルシウム、たんぱく質が含まれています。
カタクチイワシ科の海水魚を原料とするものが高品質のものとされていますが、自家製のヌクマムを造っているところも多く、「地酒の数ほどヌクマムが存在する」という格言があります。
なお、お店で売られているヌクマムには30°Nなどの数字が書かれています。
これはヌクマムに含まれている窒素含有量を表していて、数字が大きいほど香りや旨味が強い高級品となります。
- 30°N以上:特級品
- 25°N以上:上級品
- 15°N以上:一級品
- 10°N以上:二級品
ナンプラーの定義
「ナンプラー」を広辞苑で調べると、
(ナンは水、プラーは魚の意)タイ料理に用いる魚醤油。
広辞苑 第七版 2203Pより [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで、「ナンプラー」はタイ料理に使用される醤油のようなものということがわかりました。
20世紀初めごろ、タイにやってきた中国人がヌクマムを真似てタイ人向けの魚醤を作ったのが、ナンプラーの始まりとされており、現在のタイ料理において最も使用頻度の高い調味料となっています。
主にアンチョビやコリカ属の魚を原料としますが、家庭で造られることはほぼありません。
つまり「ヌクマム」と「ナンプラー」の違いは?
つまりそれぞれの違いは
- ヌクマムは「ベトナム料理で主に使用される魚醤」
- ナンプラーは「ヌクマムから派生した、タイ料理で主に使用される魚醤」
となり、いずれも各国の料理における独特のコクや旨みを出すのに欠かせない、重要な発酵調味料であることがわかりました。
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