「背取り」と「競取」の違い、あなたは説明できますか?
どちらも品物を取り次ぎ利益を得ることですが、両者に明確な違いはあるのでしょうか。
このページを読めば「背取り」と「競取」の違いがわかります。
広辞苑より
広辞苑 第七版で各言葉は次のように表現されています。
背取りの定義
「背取り」を広辞苑で調べると、
(本の背を見て取ることから)古本を転売を目的として買うこと。また、その人。
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで、「背取り」は古書業界で転売を目的として同業者や愛好家から古書を買い取ることだと分かりました。
「背取り」のように古書を転売する場合は古物商許可が必要となります。
古物商許可を受けていない状態で中古品転売事業をすると古物営業法違反により3年以下の懲役又は100万以下の罰金が課せられるため注意が必要です。
「背取り」は電子書籍の時代のため稼げないイメージがありますが、逆に以前よりライバルが少なくなり稼ぎやすくなっているという見方があります。特に雑誌、専門書、絵本といった大きい本は一般的な文庫本、単行本と比べると希少価値が高く稼ぎやすいと言われています。
競取の定義
「競取」を広辞苑で調べると、
同業者の中間に立ち、注文品などを尋ね出し、売買の取次をして口銭をとること。また、その人。
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで、「競取」は同業者の間に入って品物を取り次ぎ手数料を取ることであることが分かりました。
「競取」は一般的には平仮名でせどりと書き、もともとは「糶取り」といった漢字が使用されていました。「糶」には貯蔵してあった米を選び出して売りに出すといった意味があり、そこから転じて多くの物の中から出品する商品を選び出して競りに出す、つまり「糶取り」となり、現在では「競取」と呼ぶようになりました。
つまり「背取り」と「競取」の違いは?
つまりそれぞれの違いは
- 背取りは「古書業界で転売を目的として同業者や愛好家から古書を買い取ること」
- 競取は「品物を取り次ぎ手数料を取ること」
となり、「背取り」は古書に限定した競取を指すのに対し、「競取」は品物を安く買って高く売り利益を得ることを指すことが分かりました。
「買いだめと買い占めとまとめ買いの違い」についてもまとめています。
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