「民芸品」と「工芸品」の違い、あなたは説明できますか?
どちらも観光地のお土産売り場などで見かけることが多い作品ですが、両者に明確な違いはあるのでしょうか。
このページを読めば「民芸品」と「工芸品」の違いがわかります。
広辞苑より
広辞苑 第七版で各言葉は次のように表現されています。
民芸品の定義
「民芸品」を広辞苑で調べると、
庶民の生活から生まれた、地方色豊かな手工芸品。
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで、「民芸品」は庶民の生活の中で生まれた地域特有の日用品であることがわかりました。
「民芸品」は作るのに特別な技術が必要なものというよりは、誰でも作ることができるもの、製造方法が地域全般で代々受け継がれているものが多くあります。
民芸品は元々は「下手物(げてもの)」と呼ばれ、安物の品を指していました。
しかし大正時代になって、『派手な装飾はなくても「健康な美」や「平常の美」がある』と考えた思想家により、「民衆的工芸」の略として「民芸品」と呼ばれるようになりました。
工芸品の定義
「工芸品」を広辞苑で調べると、
美的価値を備えた実用品。おもに金工・漆工・陶磁・染織などの伝統的な工芸技法で制作されたものをいう。
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで、「工芸品」は人の手によって作られるものの中でも美的価値を備えているものを指すことがわかりました。
「工芸品」は日用品としてではなく、美術品として扱われることが一般的です。
有名な作者がいる場合は、その作者の名前が工芸品の付加価値となることもあります。
工芸品には、伝統工芸品と伝統的工芸品という分類があります。
伝統工芸品のなかでも特定の要件を満たしたものが伝統的工芸品と呼ばれ、より価値の高いものとして扱われています。
つまり「民芸品」と「工芸品」の違いは?
つまりそれぞれの違いは
- 民芸品は「民衆の生活から生まれた、地域特有の日用品」
- 工芸品は「生活において使用する道具のなかでも、実用性と芸術性を兼ね備えたもの」
となり、いずれも人の手で作る手工芸品ですが、「民芸品」は日常で使用するものが多いのに対し、「工芸品」は美術品として位置づけられることが多いものであることが分かりました。
浮世絵と錦絵の違いについてもまとめています。
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