「土偶」と「埴輪」の違い、あなたは説明できますか?
どちらも古墳や遺跡から掘り出されることがある昔の人形ですが、両者に明確な違いはあるのでしょうか。
このページを読めば「土偶」と「埴輪」の違いがわかります。
広辞苑より
広辞苑 第七版で各言葉は次のように表現されています。
土偶の定義
「土偶」を広辞苑で調べると、
縄文時代を通じてある、人の形につくった土製品。呪術用または護符的なものか。大部分は女性をかたどる。
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
形によってハート形・みみずく・遮光器土偶などの名で呼ばれる。東日本に多い。
とのことで、「土偶」は縄文時代に作られた、人の形の土製品であることがわかりました。
身体の一部が意図的に破壊された状態で見つかることが多く、出産や豊穣などにかかわる儀式に用いられていたのではという説がありますが、詳しいことは不明です。
土偶の大きさは数cmのものから40cm以上のものまで様々であり、全国で約15,000点が出土しています。
埴輪の定義
「埴輪」を広辞苑で調べると、
古墳の上や周囲に立てならべた素焼の土製品。円筒埴輪と形象埴輪とがあり、前者は筒形のもので、弥生土器の祭祀用の壺をのせる器台から発展したとされる。後者は人物・動物・器財・家屋などをかたどったもの。
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで、「埴輪」は弥生土器から発展し古墳時代に作られた、古墳をかざる土製品であることがわかりました。
埴輪はもともと、古墳に葬られる人物の生前の様子や権威を示すもの、または死者の霊に対する捧げものとされていましたが、その後、葬儀の様子などを表すものへと変化していきました。
つまり「土偶」と「埴輪」の違いは?
つまりそれぞれの違いは
- 土偶は「縄文時代に作られた人の形の土製品で、儀式などに用いられたと考えられている」
- 埴輪は「古墳時代に作られた土製品で、死者のために古墳に並べられたもの」
となり、「土偶」は「古墳」よりも古い時代に作られたこと、また、それぞれで作る目的が異なることが分かりました。
オブジェとモニュメントの違いについてもまとめています。
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