「洞窟」と「洞穴」と「鍾乳洞」の違い、あなたは説明できますか?
どれも自然が作り上げたトンネルを表す言葉ですが、それぞれに明確な違いはあるのでしょうか。

このページを読めば「洞窟」と「洞穴」と「鍾乳洞」の違いがわかります。
広辞苑より
広辞苑 第七版で各言葉は次のように表現されています。
洞窟の定義
「洞窟(どうくつ)」を広辞苑で調べると、
岩石中に生じた空洞。ほらあな。
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで、「洞窟」は岩石の中にできた空洞、ということがわかりました。
洞窟は、地中に存在する一定の大きさの空間で、一般的には人間が入れる程度の大きさとされています。
通常、洞窟は内部空間が大気で満たされており、その内部気温は多くの場合、洞窟周辺の外気温の平均値です。
ですので、洞窟内部は外部と較べると、夏は涼しく冬は暖かく感じます。
また地中にあるため湿度が高く、深部は完全な暗闇です。
内部空間が地下水や海水などで満たされている洞窟もあり、完全に水没しているものは水中洞窟、特に海面下に沈んだものは沈水洞窟と呼びます。

洞穴の定義
「洞穴(ほらあな)」を広辞苑で調べると、
洞ほらに同じ。
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで「洞(ほら)」を調べると、
崖や大きな岩・大木などの、中がうつろな穴。ほらあな。
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで、「洞穴(どうくつ)」は洞窟の別名、ということがわかりました。
また、洞穴は「どうけつ」とも読みます。
洞穴は、洞窟を含めほら穴全体を指す場合が多く、様々なものを保存する場所、またゴミ捨て場としても使われていました。
洞穴内の温度、湿度は一定しているため、農産物などの保存、ワインの醸成場、キノコの栽培場、氷室等に利用されていた例があります。


鍾乳洞の定義
「鍾乳洞(しょうにゅうどう)」を広辞苑で調べると、
雨水または地下水による溶食で石灰岩地に生じた空洞。天井には鍾乳石が垂下し、床下に石筍(せきじゅん)が林立する。カルスト地形に見られる。石灰洞。
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで、「鍾乳洞」は石灰岩が水に侵食されてできた空洞、ということがわかりました。
「鍾乳洞」は、洞窟内に生じた鍾乳石などの生成物に視点をおいた用語で、「石灰洞」は洞窟を形作る地質の、主となる岩の種類に視点をおいた用語です。
広い意味では、石灰洞以外でも鍾乳石類が生じている洞窟を鍾乳洞と呼んでいます。
鍾乳洞の天井や壁にしみ出てくる地下水は、地表から浸透してくる過程で石灰岩を溶かしながら、多量の炭酸カルシウムを含んでいきます。
この水が洞窟内の空気に触れ、炭酸カルシウムが結晶化したものが、鍾乳石です。
場所により、水中にある鍾乳洞が発見されることがありますが、それらは鍾乳石が発達した後に、何らかの原因によって水中に沈んだものです。

つまり「洞窟」と「洞穴」と「鍾乳洞」の違いは?
つまりそれぞれの違いは
- 洞窟は「岩石の中にできた空洞で、人が入れる程度の大きさのもの」
- 洞穴は「洞窟の別名」
- 鍾乳洞は「石灰岩が水に侵食されてできた洞窟」
となり、「洞窟」は気温が一定で湿度が高く、「洞穴」は洞窟などほら穴全体を指し、「鍾乳洞」は鍾乳石が生成された洞窟であることがわかりました。
登山とトレッキングの違いはこちらでまとめています。
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