「隠居」と「引退」の違い、あなたは説明できますか?
どちらも第一線から退いて過ごすことを指す言葉ですが、両者に明確な違いはあるのでしょうか。
このページを読めば「隠居」と「引退」の違いがわかります。
広辞苑より
広辞苑 第七版で各言葉は次のように表現されています。
隠居の定義
「隠居」を広辞苑で調べると、
世事を捨てて閑居すること。致仕。職をやめるなど世間から身を引いて気ままに暮らすこと。
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
当主の現存の親の称。また、老人の称。
とのことで、「隠居」は年を取ったりして仕事を辞めた人がのんびり好きなように暮らすこと、もしくは当主としての座を譲り、静かな暮らしをしている老人を指すことがわかりました。
伝統芸能の世界においては、基本的には芸名を名乗っているため、隠居に伴い弟子や子供などに自身の名前を授け、自らは隠居名を新たに名乗るという形がとられます。
この場合、弟子や子供が名前を受け取ることを「襲名」といい、隠居名は自身の芸名に「~翁」を付けて名乗るケースが多いです。
引退の定義
「引退」を広辞苑で調べると、
官職・地位から退くこと。また、現役から退くこと。
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで、「引退」は仕事の役職やスポーツなどの現役生活から退くことを指すことがわかりました。
スポーツなどで一度引退した場合は、その後再び現役として復帰するケースは少なく、監督やサポートのような立場として活躍する人が多いです。
一方、芸能界に関する引退は、期間を空けて復帰することも少なくないため、「引退=休職」のような意味で用いられることがあります。
つまり「隠居」と「引退」の違いは?
つまりそれぞれの違いは
- 隠居は「年を取って仕事を辞めた人がのんびり好きなように暮らすこと」
- 引退は「仕事の役職やスポーツなどの現役生活から退くこと」
となり、どちらも特定の立場から退くことを指しますが、「隠居」は辞めたあとの暮らしぶりも含む言葉であるのに対し、「引退」は辞めること自体を指す言葉であることが分かりました。
「慰労会と送別会の違い」についてもまとめています。
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