「執行役」と「執行役員」の違い、あなたは説明できますか?
どちらも企業や組織内で業務執行を担当する役職ですが、両者に明確な違いはあるのでしょうか。
このページを読めば「執行役」と「執行役員」の違いがわかります。
広辞苑より
広辞苑 第七版で各言葉は次のように表現されています。
執行役の定義
「執行役」を広辞苑で調べると、
指名委員会等設置会社において、取締役会決議により委任された業務の執行をつかさどる役職。選任・解任は取締役会決議による。
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで、「執行役」は会社の取締役会から委任を受けて、本来は取締役会の権限である業務の執行を行うポジションであることがわかりました。
執行役の定義は会社法においても定められています。
「取締役会」は会社法によって定められている役員であり、株式会社では必ず設置しなければならない機関のひとつです。
取締役会が担う業務がかなり多いため、一部の権限を執行役に譲渡して業務を円滑に進めます。
そのため、主な経営は執行役が担い、取締役会は執行役の業務執行に関する監視・監督を主に行う機関となります。
執行役員の定義
「執行役員」を広辞苑で調べると、
企業の業務執行と経営の分離の見地から、業務執行諸部門の責任者などに付す肩書き。執行役とは異なり、法律上の名称ではない。
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで、「執行役員」は業務を執行する責任者に与えられる肩書であり、法律上の名称ではないことがわかりました。
「執行役員」は企業における経営陣の一員として、具体的な業務執行を担当する役職ですが、通常は取締役とは異なり、経営における意思決定を行う役職ではなく、業務の実行に重点を置いたポジションです。
多くの企業では、執行役員が会社の戦略や方針に基づいて業務を推進することが期待されます。
つまり「執行役」と「執行役員」の違いは?
つまりそれぞれの違いは
- 執行役は「取締役会から一部の権限を譲渡された経営の責任者で、会社法に記載される」
- 執行役員は「業務を執行する責任者に与えられる肩書で、法律上の定義はない」
となり、どちらも会社において重要なポジションですが、「執行役」は会社全体の責任者で、「執行役員」は会社の具体的な業務の責任者である、ということが分かりました。
「取締役と執行役と監査役の違い」についてもまとめています。
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