「よりを戻す」と「よりをかける」の違い、あなたは説明できますか?
どちらも慣用句ですが、両者に違いはあるのでしょうか。
このページを読めば「よりを戻す」と「よりをかける」の違いがわかります。
広辞苑より
広辞苑 第七版で各言葉は次のように表現されています。
よりを戻すの定義
「よりを戻す」を広辞苑で調べると、
もと通りにする。転じて、別れた男女がまた一緒になるのにいう。
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで、「よりを戻す」はもとの状態にする、別れたカップルが復縁する意味であることが分かりました。
よりを漢字にすると「縒り」となり、何本かの細い糸やひもを交互にねじり合わせてまとめたという意味があります。
「よりをほどいてバラバラにしたものをもと通りに戻す」がよりを戻すの語源です。
たとえば「ささいな原因がきっかけで別れた恋人とよりを戻す」や「別れた相手とよりを戻す方法」などのように使用します。
よりをかけるの定義
「よりをかける」は「縒掛け」で広辞苑に掲載がありました。
繰糸の際、数本の繭糸を曳き揃えた糸条によりをかけ、密着・抱合させて1本の生糸とするために、糸条の少し離れた部分同士を一時的により合わせること。
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで、「よりをかける」は糸をより合わせて1本の糸にすることだと分かりました。
また、ものを作る際の慣用表現としての「よりをかける」は、「腕によりをかける」の略です。
腕前を発揮する、自身の能力を最大限に発揮しようと熱心に取り組むという意味があります。
類語には、積極的に・主体的に・はりきって・気概をもってなどがあります。
使い方は「腕によりをかけて料理をする」「祖母がよりをかけて縫った着物を着る」などです。
つまり「よりを戻す」と「よりをかける」の違いは?
つまりそれぞれの違いは
- よりを戻すは「もとの状態にする。別れた恋人同士が復縁する」
- よりをかけるは「糸をより合わせて1本の糸にする。能力を最大限に発揮しようと熱心に取り組む」
となり、どちらも糸に関連する言葉であり、「よりを戻す」はもと通りにするという意味であるのに対し、「よりをかける」は手間をかけて作る意味であることが分かりました。
他にも「言葉の意味の違い」について多くの記事をまとめています。
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