「クエン酸」と「酢酸」の違い、あなたは説明できますか?
どちらも口に入れたときに酸味を感じるもので、料理やお菓子に入っていたり、掃除に使われたりするものですが、両者に明確な違いはあるのでしょうか。
このページを読めば「クエン酸」と「酢酸」の違いがわかります。
広辞苑より
広辞苑 第七版で各言葉は次のように表現されています。
クエン酸の定義
「クエン酸」を広辞苑で調べると、
(citric acid)柑橘類の果実中に遊離して存するほか、生物界に広く分布するヒドロキシ基を含むカルボン酸。細菌などの発酵生成物。水に溶けやすい結晶で、爽快な酸味をもち、清涼飲料水の製造や媒染剤などに用いる。ナトリウム塩は血液凝固阻止剤。
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで、「クエン酸」は柑橘類果物に含まれている酸で、水に溶けやすく、酸味を持つものであることが分かりました。
「クエン酸」は梅干しやレモン、オレンジ、グレープフルーツなどに含まれており、疲労回復や食欲増進、ビタミンB6の吸収力アップなどの効果が得られます。
また「クエン酸」は掃除の道具としても注目されています。
「クエン酸」は常温では白色の粉末状で、臭いはありません。水に溶けやすい性質を持っているため、水200mlに対して小さじ1杯のクエン酸を混ぜて作る「クエン酸水」は水垢やトイレ掃除で大活躍します。
酢酸の定義
「酢酸」を広辞苑調べると、
(acetic acid)カルボン酸の一つ。分子式CH3COOH 刺激性の臭気と酸味をもつ無色の液体。酢(ス)の酸味の主成分をなす。酒類の発酵によって生じる。以前は木材乾留液より採取したが、現在ではアセトアルデヒドの酸化などによって製する。工業上重要な原料。エタン酸。
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
とのことで、「酢酸」は刺激性の臭いと酸味を持つもので、酢の主成分であることが分かりました。
「酢酸」は穀物や果実を発酵させてアルコールを作り、そのアルコールをさらに発酵させることで作ることができます。
「酢酸」を摂取すると体内で「クエン酸」に変わるので、「クエン酸」が持つものと同じ、疲労回復、食欲増進、ビタミンB6の吸収力アップなどの効果が得られます。
つまり「クエン酸」と「酢酸」の違いは?
つまりそれぞれの違いは
- クエン酸は「柑橘系の果実などに含まれていて、食べると疲労回復などの効果があるほか、粉末を水に溶かすことで掃除でも役立つ」
- 酢酸は「アルコールを酢酸発酵することで作られる物質で、食べるとクエン酸と同じ効果がある」
となり、「クエン酸」は柑橘類に含まれる成分であるのに対し、「酢酸」はアルコールを酢酸発酵して作られる物質であることが分かりました。
重曹とセスキ炭酸ソーダの違いはこちらでまとめています。
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