「人事」と「労務管理」の違い、あなたは説明できますか?
どちらも従業員に関する業務を担当する部門ですが、両者に明確な違いはあるのでしょうか。
このページを読めば「人事」と「労務管理」の違いがわかります。
広辞苑より
広辞苑 第七版で各言葉は次のように表現されています。
人事の定義
「人事」を広辞苑で調べると、
個人の身分・能力に関する事項。
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
人の一身上に関する事柄。
とのことで、「人事」は企業や組織における「人」に関する全般的な業務を指すことがわかりました。
主な役割は、社員の採用、育成、評価、配置、昇進、給与体系の設計などです。
人事部門は組織の価値観や文化に合った人材を確保し、その能力を最大限に引き出すために様々な取り組みを行います。
具体的には、新卒や中途採用などの選考を行い、社員教育や研修プログラムを設計・実施して、従業員のスキル向上をサポートします。
労務管理の定義
「労務管理」を広辞苑で調べると、
労働者の使用を合理化し生産性を高めるために、経営者が行う管理。
広辞苑 第七版 より [発行所:株式会社岩波書店]
人事・福利厚生・教育・労働組合対策などを含む。
とのことで、「労務管理」は企業や組織内で従業員の労働条件や労働環境を整備する業務を指すことがわかりました。
労務管理の目的は、従業員が安心して働ける環境を提供しつつ、組織として守るべき法令遵守を徹底することでトラブルを回避することにあります。
労働時間の管理や給与体系の整備、休日や休暇制度の運用など、従業員の生活を支えるための基本的な制度のほか、労働するうえで必要な教育の場も提供します。
そのため、人事が労務管理の一部を担っていることもあります。
つまり「人事」と「労務管理」の違いは?
つまりそれぞれの違いは
- 人事は「従業員の採用から育成まで、人にかかわる業務を幅広く担当する部門」
- 労務管理は「従業員の労働条件や労働環境を、法に反しないように整備する部門」
となり、「人事」は主に人に関する業務を行うのに対し、「労務管理」は法的な側面で従業員を守り、企業が法令を遵守できるようにするための業務を行う部門であり、人事が労務管理の一部となっている場合もある、ということがわかりました。
「フリーランスと個人事業主と自営業の違い」についてまとめています。
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